株主には株主としての権利がありますが、株主としての責任もあると考えられています。株主として、適切に会社を監視し、牽制を与える責任があると。株主によるガバナンス、などとも云われます。債権者、お金を貸している人にも、当然権利がありますが、責任もあると考えられています。お金を貸したら、適切な監視、牽制、注文をしないと、お金も返ってこなくなってしまう。それは、一義的には借り手の問題ですが、貸し手にも一定の責任があると考えられています。
有権者は、投票をし、議員などの政治家を選ぶ権利を持っています。主権在民と云いますから、権利、最終的な権力は、"民"にあります。然しながら、株主や貸し手と同じように、やはり責任もあるでしょう。東京都の小池知事は、築地市場の移転延期を発表しました。東京都と云う組織は、一体何をしてきたんだ、と感じますが、同時に、有権者が、議員や知事、行政・政治などに対して、適切な興味と注意と監視と牽制を与えてこなかったのではないかと、思わざるを得ません。
今回の問題は複雑で良く分からないことが多くありますが、この"有権者の責任"と云う問題を、本件に限らず、私たちは、そして社会は、もっと持たねばいけないと思います。当事者意識が大切ですね。