リオ・オリンピック。あまり盛り上がってないですね、なんて自分で云った舌の根も乾かないうちに、朝に夜に、テレビにかじりついております。さてこのオリンピック報道を見ていて、思うことが色々あり、そのうち3点ほど書いておきたいと思います。

ひとつは、これは報道に関してではないのですが、メダルの取られ方に変化が起きていると感じることです。今日現在、金メダルの数でも金銀銅合わせたメダルの数でも、日本はアメリカ、中国に次いで第三位です。金メダル数で、16個、11個、7個と云う順番で、かつてに比べると日本がとっても健闘しているように感じます。やはり世界が変わってきていて、全体主義的イデオロギーの下、ウルトラ・エリート訓練でオリンピックに出して国の威厳や愛国心を高揚する、と云った取り組みが減って、一方スポーツの世界も技術革新が進んで、お金があって最新の訓練環境がないと勝ちにくくなり、結果として地盤沈下する国が多く、日本が浮揚したのでしょうか。水泳とか、現代的訓練って進んでいるでしょうからね。金藤理絵選手が200メートル平泳ぎで金メダルを取りましたが、24年前のバルセロナ・オリンピックで金メダルを取った岩崎恭子選手の記録からは4%以上も時間が短くなっています。スポーツの技術革命って凄いのでしょうね。

次に思うのは、報道が日本選手の活躍ばかりで、他国選手の活躍報道があまりにも少ないのと、日本選手についても、家族や地元、コーチなどの話が多く、各国ライバルとの交流とか、ライバルの言葉などの報道カバーがほとんどないことが、私は気になります。オリンピックなので、それは何も日本対どこそこ、と云う構図だけでなくても良くて、スポーツの祭典なので、この競技にはこの国にこんなに凄い選手が居るとか、そんな話も聞きたいです。お祝いの言葉も、海外のライバル選手からの声をもっともっと聞きたいです。競技の様子を見ていると、選手は各国のライバルやサポート・スタッフと、随分頻繁に話しているように思えます。同じことに挑戦している人たちの間でしか分からない部分だってあるでしょう。

内村選手が体操個人総合で大逆転金メダルを取ったあと、2位と3位の選手との共同記者会見で、海外メディアの内村選手に対する失礼な質問に対して2位の選手が「下らない質問だ」と怒ったとか、2位の選手も3位の選手も内村選手のことを絶賛したとか、活字のニュースではちょっと報道されましたが、テレビでは、或る番組が、本当にほんのちょっとその場面を流しただけでした。もっとしっかり流して欲しいです。ウクライナ語は聞いても分からないけれど、ちゃんとそのやりとりの全てが放映されれば、本当にどう云ったかの記録も残るし、正しいニュアンスを知ることが出来るし、きっとそれは内村選手にとっても素敵な記録となると思うのです。イチロー選手がメジャー・リーグ3000本安打を達成した時、日本の報道よりも何よりも、イチロー選手が一番嬉しかったのはジーター選手の言葉だったかも知れない。世界の一流には世界の一流だけの触れ合いとか尊敬とかがあると思うのです。もっとそう云うことを正しくちゃんと報道して欲しいです。このままだと、4年後の東京オリンピックの時の報道が思いやられます。もっとグローバルにやって欲しいです。

そして最後に思うのは、オリンピックの周辺情報の報道が少ないこと。今リオでは、ハッカーの祭典状態になっているそうです。無数のインチキWiFiスポットが設置され、それを使ったら一巻の終わり、スマホ内の個人データが全て抜き去られてしまうとのこと。公式WiFiスポットもその2割程度が暗号化されていなくて、同じような危険にさらされているとのこと。日本ではまだスマホのNFC(ガラケーのSuicaのような非接触型の無線装置)があまり活用されていませんが、4年後にはクレジットカードも全てスマホの中に入っている時代が来ているでしょう。そんな時に、こんなハッカー天国になったら大変で、今からこの手の情報を良く知り、リタラシーを高くする必要があると思います。その他にも、4年後の東京オリンピックのために、この手の犯罪も含めて、一体どんなことが起きるのか、もっともっと知りたいです。

以上、オリンピック報道に思うことでした。よろしくお願いします!