私にとって校長先生とは、私を叱る人、或いは私に呆れる人でした。小学校2年生の終わりには、4年後のことを聞く学校に対して、明日のことは神のみぞ知るとクラスで教わったのにそんな先のことを聞くのはおかしいと校長先生に云ったら、その場で「退学して下さい」と宣告されたし、中学校1年生の終わりには、スキー学校にウィスキーボトルを持ち込んで飲んでいたのが見つかった私は、校長室で悪友と共に学年初の始末書(校長訓戒)を渡されたし、しかしそれ以外は人生の中で校長先生との触れ合いというか関わりはなく、最近まで暮らしてきました。
それがひょんなことから母校の校長先生と話す機会を持つようになり、しかもそれが建設的で、「叱る・呆れる」とは逆向きの話の内容であるので、ふと、思えば遠くへ来たもんだというか、時が経って随分と変わったものだなぁと思うのです。このケースは、同じ人との関係ではなく、「校長先生」という種類の人との関係ですが、同じ人とであっても、長い付き合いの中で変わっていったり、充実していく関係もあります。そして本当の人間関係は、そういう関係の中にこそあるのだとも思います。大切な関係を、大切に育てていきたいものですね。