日本時間の今晩から明日未明に掛けて、アメリカの中央銀行(FRB)は利上げを敢行するか否か、全世界が正に注目しています。正確に云うと、FRBが利上げすることはほぼ確定と皆思っており、注目しているのは利上げするか否かではなく、実際に利上げした後にマーケットはどう反応するか、でしょう。もちろん万が一利上げをしないと云う可能性もゼロではなく、文字通り万に一ぐらいはそう云うこともあるかも知れませんから、いずれにしろ目が離せません。
今回の利上げで重要な点は、今後どのようなペースでどのような幅で来年以降追加利上げをするかについての感触を、FRBの説明から読み取ることだと思います。その雰囲気が、マーケットのリアクションに影響を与えるでしょう。アメリカの利上げは、リーマンショック以来続いた、世界的なウルトラ金融緩和政策の転換点です。実に7年ぶり。多くのトレーダーが知らない環境、いわゆる新領域に入るので、その意味からもマーケットのボラティリティ(振れ幅)は大きくなりがちになるでしょう。
リーマンショック後の緩和金融政策は、恐らくアメリカの東海岸・西海岸の大都市と、中西部・南部などの地域の間の、持てる額の差を増大したものと思われます。そんなことも今の大統領選に影響を与えているかも知れません。そしてアメリカの大統領選の行方は、世界の秩序の在り方にも影響を与えます。ですからアメリカの金融政策の変更は、経済に限らず政治的にも、世界に大きな影響を与え得るものです。
今晩は歴史に残る日になるかも知れません。ボジョレーヌーボーのお祭り騒ぎは今年は様々な事情であまり盛んではありませんでしたが、今晩こそがお祭りかも知れません。そして来年のキーワードはずばり、「利上げ」になることでしょう。注目しましょう!