15年前、正確には15年と8ヶ月前に、一度だけ電話で話をした人。その前までその人のことは全く知らず、その時話して、それからも話したことのない人。会ったことは一度もない人。そんな人に今日会いました。
或る処の前任の方が、後任の方を連れて挨拶に来られたのですが、そのミーティングに入る数秒前に見せられたその後任の方の名前には明らかに覚えがありました。極めて普通のお名前で、しかも私はそもそも名字しか存じ上げないのですが、それでも尚、ピンと来るものがあり、もしかしたらあの人ではないか?と当たり前のように強く思いました。
いざミーティングに入り、前任の方が話している間、私は何度も後任の方のことをチラチラと見たのですが、確信は持てませんでした。帰り際にようやく後任の方が口を開けると、実は15年前に話したことがありますと。なんと!やはりそうだったのです。チラチラ見ても確信が持てなかったのは当たり前で、何故ならばお会いしたことはなかったのですから。
あの時のことは鮮明に覚えています。小さいメモ用紙に書かれた名字だけ、一回(正確には同じ日に二回)話しただけなのに、とても良く覚えているのです。その方も、良く覚えておられました。このつぶやきを読み返すと、5年前にも、その時で15年ぶりに或る人から携帯に電話が掛かってきて、時空を超えたコミュニケーションを感じたことがありましたが、今日も同様に時空のトンネルを潜ったように感じました。不思議なことは起きるものです。しかし本当に克明に覚えていたなぁ。人の脳の構造こそ不思議なものですね。