マーケットが引き続き荒れています。もう波は収まったかと思っていると、不意に大きな波が来ます。マーケットのメカニズムは、未だに分からないことが多いのですが、現象的には地震と似ています。或る時突然来る。この瞬間を予測することはほぼ不可能です。

複雑系物理学の考え方では、臨界点まで達したものは、如何なるタイミングで崩壊を始めるか、どの程度の規模か、どのような形かは、一切予測することも出来ず、またそれらは規則性がなく、毎回タイミング・大きさ・形ともに違うものです。崩壊の理由を皆探しますが、それが原因で崩壊が起きたと云うよりも、臨界に達していたので崩壊は自ずと起き、その時同時に起きていたことを理由としたくなるが、そこには実は因果関係はない、と云うことになります。

大きな地震の後には余震が来ますが、マーケットの変動はこの点でも地震に似ています。しかしその余波の性格は、地震とは少々異なるようです。マーケットに於ける最初の大波の理由が明らかな時、或いは明らかだと多くの人が思い込める時は、余波の収まりが早く、そうでない時はいつまでもふらふらと余波が続きます。今回のいわゆるチャイナ・ショックは、その理由付けが未だにスッキリしません。説明したように、そもそも理由などないのですが、それでも尚、納得出来る後講釈があれば、波は収まって行くのですが、それがないと、マーケットはいつまでも見えない理由に怯えて震動を続けることになります。

幽霊の正体見たり枯れ尾花。マーケットが復調するには、もう少し時間が掛かるかも知れません。