一ヶ月ほど前からパラパラと書き綴ってきた当社グループの状況。一応今日で一旦終わりにしたいと思います。これからの話を書く前に、先ずはFXビジネスについて触れます。FXビジネスは、世界的に参入障壁が低く、とても競争の激しいビジネスです。日本ではマネックス証券という大きな顧客基盤の上に、安定的なFXビジネスを構築・維持することが出来ますが、日本外の地域では、競争優位性を保つことは簡単ではありません。そこで去年の秋に、日本外のFXビジネスは、米グループ会社のトレードステーションのマルチアセットプラットフォームという競争力のあるビジネスラインを残して、売却をしました。
その後、御存知のように今年一月にはスイス中央銀行のアクションによるスイスフランの一瞬の間の大暴騰が起き、世界中のFX業者が大きな損害を受けました。日本の金融先物取引業協会の発表によると、日本の業者の未収金は約34億円でありましたが、マネックス証券においては百万円程度でした。日本外の世界の業者の未収金総額は分かりませんが、恐らく1000億円を下ることはなかったでしょう。
米グループ会社のトレードステーションやIBFXを併せた未収金総額は1億6千万円程度でした。結局当社グループにおいては、日本での未収金はゼロになり、日本外では5千万円程度になりました。ですから日本においても世界においても、当社グループの損害は他社に比べて極めて僅少ですが、開示をしない会社も多く、一方当社グループはしっかり開示をするので、外部の方々からは分かりにくい状況で、あまりよろしくないなと思っています。
さてこれからですが、アメリカは着実に景気が回復し、短期金利も上がり始め、市場のボラティリティも上昇し、当社グループのアメリカビジネスを取り巻く環境は、着実に好転していくと考えています。日本のビジネス環境にも私は楽観的ですが、市場と業績が大きく伸びるきっかけとなるのは、地価の上昇ではないかと思っています。アベノミクスが始まって以来、日本の上場企業時価総額は260兆円以上増え、個人投資家はその25%以上を保有していると思われるので、少なくとも70兆円は儲かった計算になります。巨額です。しかし株式投資をしていない人には、遠い世界の話であって、デフレが終わって資産インフレが起きていることに気付いていない人がまだまだ沢山いると思うのです。
これが地価が上がり始めると、一気に雰囲気が変わります。そもそも不動産市場は金融資産市場の2倍程度の規模があります。そして株式と違って、あまねく広く日本中の人に保有されています。この土地の値段が下げ止まって上がり始めたことを感じた時、消費も設備投資も本格的に始まり、そして貯蓄から投資への大きなうねりが起きると思うのです。地価は、3月の公示価格と7月の路線価の発表があります。去年は、東京などの都市部では前年比プラスでしたが、全国平均ではほんの僅かにマイナスでした。しかしこれは加重平均していない数字でしょう。
しかし単純平均の数字でも、今年の発表ではプラスになるのではないかと考えています。その時が今から楽しみです。
当社グループの株価に関連したことも今日書こうと思っていたのですが、あまりにも長くなってきてしまったので、次回にまわします。