報道によると、ケンブリッジ大学で神経科学・金融学の研究をしているジョン・コーツ博士は、トレーダーは、ストレスホルモンの1種であるコルチゾールの分泌が高くなると、リスク回避行動を起こしやすくなり、マーケットの状況の悪化要因になる可能性があるとの論文を発表したとのこと。そしてこのようなことが、中央銀行などの当局者や金融業界の誰も理解していないのは恐ろしい、と云ったそうです。

ジョン・コーツ!私は彼と昔一緒にゴールドマン・サックスで働いたことがあります。彼は債券のオプションのトレーダーで、イールド・カーブの傾きに対するオプションなども開発しトレーディングしていましたが、一風、いや二風も三風も変わった奴でした。昔から学究肌のところがあり、理論に詳しくまた一家言を持っていて、確か日銀に連れて行って勉強会のようなものをしたことがあって、行内の聴衆に向かって座って話していると、話しながら段々と上体が沈んでいって、鼻が机の線まで下がるとずるずると体を起こして、また話し続けながら体が沈んでいく、ということを繰り返したことがありました。

私もこの業界は長く、多くの奇人変人を見てきましたが、彼はその中でもトップ・クラスです。そのジョンの論文。きっと抜けて冴えていて、面白いに違いない。
米国科学アカデミーのジャーナル(PNAS)に掲載されているようなので、読んでみようと思います。何か発見したら御報告します!