米議会の上下両院は、ようやく財政協議を成立させ、債務上限の引き上げなどに関する法案を可決したとのこと。やれやれ。結果は予め分かっていた訳ですが、それでも大騒ぎになり、マーケットも弱り、そしてギリギリになって解決して、マーケットも反発しました。分かっちゃいるけど酒を飲んで騒いで、当たり前のように二日酔いになり、しかし当然回復してきた。そんな感じでしょうか。どうせそうなると分かっていてもやってしまう。どうせ戻ると分かっていても一旦は騒いだり売ったりしてしまう。人間の性をそのまま地でやっているようで、笑える部分もありますが、やはりバカらしい部分の方が大きいです。しかも国債発行額の縛りを凍結するのは来年2月まで。4ヶ月後にまた騒ぐのです。まぁそれも立派な人間の活動ではありますけどね。忘れられている方もいらっしゃるかも知れませんが、日本版財政の壁と云われた赤字国債法案は、去年の11月に3年分まとめて処理をしました。3年間心配なしです。この方が遙かに生産的です。アメリカよりも優れた政治や経済を、日本だって実現できる筈だと思うのは夢でしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。