成長戦略。経済は民間が主役なので、結局のところ民間が頑張らなければいけないと思うのですが、いずれの場合であっても成長戦略をサポートしていく政府のあり方について思うことがあります。主に2つあるのですが、先ずは今日はその1を。それは、機能的に間違った組み合わせで官庁が成り立っていないかということです。

例えば文部科学省。これは文部省と科学技術庁が併合したものですが、教育と技術応用は全く別の分野です。片やアカデミック、片やビジネスであり国家戦略です。このまるで水と油のようなことをひとつの組織に入れると、自ずとどちらかにブレーキが掛かります。我が国の場合、リスクを取らない方向、成長戦略ではなく現状維持戦略に振れがちです。宇宙関連産業とか、文部科学省設立以来、技術応用が大きく遅くなったように感じます。他にも例があります。厚生労働省。薬や医療の安全を考えるサイドと、成長分野としての薬や医療を考えることが同じ組織になります。これも自ずと成長戦略サイドにブレーキが掛かりがちになると思います。我が社も監督を受ける金融庁。監督サイドと、金融産業を企画するサイドがひとつの組織の中にあり、その間での人事異動もあります。監督管理と成長戦略。やはり成長戦略側にブレーキが掛かりやすいと感じます。

それぞれの機能、管理監督規制サイドと成長戦略サイドはどちらも重要です。それらを同じ官庁に入れないで、分けた方がいいと思うのです。産業監督側省庁と、産業応援側省庁を分ける。そうして始めていいバランスや牽制が効くのではないでしょうか?企業でも営業企画、マーケティング・サイドと管理サイドは役員から分けるのが当たり前です。そうしなければ予定調和的にブレーキが掛かり前へ進めなくなります。成長戦略はこんなところの見直しも含まれるべきではないでしょうか?