昨日の大きな波動のあと、市場は概ね鎮静化に向かっているように見えます。と云うよりむしろ、市場は予想される範囲内ではもっとも穏やかな形でショックを吸収して始まったと云えるでしょう。しかし日中やはり不安定化し、最終的にはやや鎮静化に向かったように見えます。今日が金曜日で、これからの週末で冷静になる時間があることも、いい方向に作用するかも知れません。
ただ一日の値幅は、日経平均で1,026円。昨日の7割、昨日引け値に対して約7%。まだ荒れるエネルギーは下がっていません。来週もこの変動率に注目したいと思います。また、目の前の値動きだけに注目せず、全体のテーマ、即ちデフレ脱却・緩やかなインフレへ、と云うアベノミクスに対する安心感の行方に注目すべきだと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。