ロンドン出張は、ミーティングはたったの2営業日でしたが、前後の夜の部も含めて、とても実り多いものでした。旧知との、そして初めて会う人との、様々な出会いがありましたが、やはり旧知の大投資家R氏との話が一番興味深かったでしょうか。R氏とはもう20年くらいの付き合いになります。
彼とは実に様々なテーマをこれまでに話してきました。会ってもマーケットについて全く話さなかったこともあるように記憶しています。しかし今回は殆どの時間を日本株、日本円、日本の経済、財政、政治について議論することに費やしました。単に一方の意見を聞くのではなく、彼にいくつも質問を受け、意見を答えて、議論し、そして同意しました。相場観の一致。彼と初めて会った時は、二人の相場観(その時は主に日本国債市場についてでしたが)は真逆で、同じように彼から質問を受け、意見を答えて、その時は彼は一言も議論をせず、じっと私の目を見て話に聞き入り、部屋を出ると彼は相場観を180度転換しました(私と同じ方向に変えました)。因みにその決定は見事に的中しました(自慢話のようですいません)。今回はその時とは違います。相場観の一致。どうやって売らないでいるかがテーマだ、とまでも云っていました。
4月30日につぶやきで書いた「総量規制の逆」、即ち今日本で起きていることは、ほぼ四半世紀ぶりの金融政策の大転換であり、その波動はかなり大きく長いものである可能性があるという考え方に、私は更に傾倒しています。