古い友人の松江泰治くんが新しい写真集「jp0205」を出しました。彼は2002年に木村伊兵衛賞をとり、世界各地の美術館にもコレクションされている日本を代表する写真芸術家です。中高大と一緒。高校では私が写真部部長、彼が会計だった間柄です。しかし写真に対する思いも技術もセンスも、全てが比較のしようもなく、彼の作品は本当に素晴らしいと思います。

26年前に初めて彼の作品が載った日本カメラを買い(今も保有)、銀座での初めての個展でも彼の作品を買い、その後もずっと彼の活動を追い掛けてきました。遙々フランス南部アルルまでマグナム主催の写真フェスティバルの招待作家としての彼の展示を見に行ったこともありますし、ニューヨーク・フラービルでの個展も見に行きました。全てのシリーズをコレクションしている訳ではありませんが、重要な節目の作品は友人として、ファンとして、買ってきました。

素晴らしい写真集を何冊も出しているのですが、今回の「jp0205」は中々秀逸です。彼の作風と技術、そのディテールや意匠、無機質なイメージと意外な色の組み合わせ、そして定点観測的な視点やところどころに隠されたいたずら風アイデアなど、全てがピカピカに磨きが入ってます。加えて印刷の出来がこれまた秀逸。02とは青森県、05とは秋田県のことで、これもどこかに決められた記号なのだと思いますが、彼の趣味をよく伝えてきます。

写真は撮るより見る方がいいや、なんて彼の作品を見ていると思ってしまうのですが、性懲りもなくまた写真を撮ることにチャレンジしたいと思ってきました。