お経は眠くなるとよく云いますが、本当にそう思います。或いは妄想など、あらゆる類の瞑想を走らせます。いや、瞑想よりも脳の迷走の方が正しいかも知れません。意味が分からないので意識がそちらに引っ張られず、しかしロジカルな思考をするような音環境ではないので、迷走方向に解き放たれます。メロディもリズムもないので、音自体に聞き入ることもなく、これまた解き放たれます。解き放たれる方向は、本来予定されている方向も勿論ありますが、煩悩方向も多くあります。こんなことでいいのか、と思いつつも、ぬらぬらと熱いあらゆる食材の入った鉄鍋のように、頭の中が、そして身体の中が、ウルトラQの始まりの渦のようになっていきます。そして眠くもなります。夢か現か現か夢か、と云う言葉があるように、実は予定された場所を彷徨うのかも知れません。私事で恐縮ですが、今日だけはそんな渦に身を委ねる日です。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。