「マーケットは止まらない」との題名でつぶやきを書いたのは去年の11月22日のことです。それから今日まで、まさにマーケットは止まりません。デフレを良しとしていた国が、緩やかなインフレを目指すようになった。このこと自体が極めて重大な転換であり、その意志が、マーケットを大きく動かしています。期待インフレ率が、マイナス(デフレ)からプラスになれば、期待実質金利が下がります。マーケットの参加者のインフレ率(もしくはデフレ率)に対する期待・見込みが変わるだけで、お金の流れは大きく変わります。円の期待実質金利が下がり、円安となり、それが日本企業業績の上昇期待を創ると共に、加えてデフレ期待からインフレ期待に変わることで、お金がインフレ資産である株式市場に流れてきています。この意志の変化は大きい。パラダイムシフトとはこういう場面を云うのでしょうね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。