日経平均が11週連続で上昇し、それは42年ぶりとのこと。なんと!これはおめでたいことです。先ずは素直に大いに喜びましょう。ここで次に気になるのは、今回の動きが、振り子の振れのように行っては戻ってくる類のものなのか、或いは堤防が決壊して水が流れるように行ったきりの類のものなのか、と云うことです。
この世の営みは、なべて波のようなものですから、きっと行っては戻る部分があります。然しながら今回の株価上昇の理由を考えると、私はこれは通常の波の振幅の一つではなく、やはり桶の一辺を外して水が流れ始めたような、或いは地盤がずれて断層が出来たような、或いはマーケット的な言葉を使うと日本語ではボックスが切り替わった、英語ではニュー・テリトリー(新領域)に入ったような、そんな動きの一つのように思えるのです。
デフレを良しとしていた国が緩やかなインフレを目標に持った。簡単に云うとこのことに尽きます。円安が株高を演出しているのではなく、デフレ容認からインフレ目標に変化したことが原因であり、円安も株高も、その当然の帰結に過ぎません。もちろん流れは変わる時が必ず来ます。42年ぶりの流れの行き先を興味を持って見ていきたいと思います。