信長は「鳴かぬなら殺してしまえほととぎす」と詠んだであろう。秀吉は「鳴かぬなら鳴かせてみせようほととぎす」と詠んだであろう。そして家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす」と詠んだであろう、とは有名な話です。出典は江戸後期に書かれた平戸藩主・松浦静山による随筆「甲子夜話(こうしやわ)」とのこと(もちろん今のような口語ではありませんが)。

私は日本史がそんなに詳しくないのですが、感覚的に信長に憧れ、家康を嫌い、秀吉は関西のお金持ちというイメージがあります。この句も、家康のはやはり嫌いで、信長か秀吉なのですが、心の奥底にいつも信長的な考え方に対する憧れがあります。道路を真っ直ぐにしたり免税経済特区を作ったり、信長は天才です。

では今、マーケットは誰的なものを必要としているか。今のマーケットは酷い。全世界的に金利も低い。投資家にとっては、今のマーケットは鳴かないほととぎすのようなものです。ではどうするか。見捨てるか。それはあり得ない。お金はどこかに行き先を見つけなければいけないのです。待つか。それもあり得ない。いくら待ってもマーケットは踊らないかも知れません。そしたらほととぎすは鳴かせてみる他ありません。

全般的に踊らないマーケットの中に踊る部分を見つけ、それをお客様に御案内する。それは海外の金融商品であったり、或いは日本株の見方かも知れません。そしてマーケットが踊るように取り組む。規制緩和や規制の見直し、新たな刺激策の導入。そういったことを考え、決して諦めないで政治や行政などに訴えていく。

鳴かぬなら鳴かせてみせようこの市場。そんな気持ちを持って臨んでいきたいと思います。