往復に空中で25時間、前後の移動を入れると総移動時間が35時間程度。ニューヨーク滞在時間が70時間弱。(寝る時間も含めて)2単位の時間のために1単位の時間を掛けて行くとは、改めて計算してみると案外驚きました。そこまでして行くからには、ニューヨークには特別に得られるものがあるから。資本市場を元気付けるアイデアを見つけられるか。街からエネルギーを貰えるか。

いざ振り返ると、数社のメディアの取材も受けたのですが、「どうしたらアメリカの資本市場は活気を取り戻せるか?」という質問であり、「なんでアンタは普通の日本の企業トップと違って元気なんだ?」という質問でした。土曜日に随分長い距離、マンハッタンを歩いて縦断しました。20年前頃良く泊まったホテルの建物の前を通りました。建物には何も書いてない。昔も今も、私は目立たない小さいホテルが好きなのですが、この建物は既にホテルは廃業しているように見えるほど、なんの変哲もない建物でした。もし違っていても昔のよしみで怒られはしないだろうと考え、思い切ってドアを開けてみると、果たしてそこは昔ながらのホテルで、しかしかなり改装されており、若いスタッフがいました。昔良く泊まったのだよと云うと、昔と同じ所、昔と変わった所などを説明してくれて、部屋も2つ見せてくれました。ホテルはデザインホテルの走りのような所なのですが、温故知新といった感じで、色々なものを大切にしながらも生まれ変わっていました。「変化」と云う言葉が頭をよぎりました。そして、かつてこのホテルに泊まり、「なにくそ頑張るぞ!」と云うコンプレックスから来る闘志のようなものを抱きながら、ラウンジのような所でコンプリメンタリー・ブレックファストを食べてから闘争心を持って出勤していた日々を思いました。

マジソンスクエアパークでは、キュー大会をしていました。バーベキューなどあらゆる"キュー"を安く路上で焼いていて、大量の人が長蛇の列でそれぞれの"キュー"に並び、そして大量に食べていました。まさに老若男女、みんなが「まいうー」の石ちゃんみたいでした。ダウンタウンまで歩いていくと、そこは活気に溢れ、多くの学生が闊歩していました。恐らく全米から、いや全世界から来ている学生たちでしょう。ニューヨークは元気を与えてくれる街なのではなく、元気な奴が、闘う奴が集まる場所なのでしょう。私の最大の親友は、色々なことに不安だ不安だとずっと云いながらも、前だけを前だけを見て、そして未来に対して自信を持ち、また失敗する勇気も持ち合わせているようでした。或る意味で昔あのホテルに泊まっていた頃の私のような。

ニューヨークは貪欲に資本市場を活性化させるアイデアと参加者を待っています。呼び寄せています。ニューヨークは元気な奴を、闘う奴を呼び寄せています。そこにいたら元気になるのではありません。そこに参加するエネルギーがなければそもそもいられないような街です。資本市場の答えがあるのではない。資本市場に関する自分なりの答えを持ち寄らなければいけない場所なのです。やっぱり私はI love New York.昔も今もこれからも、強い自分の意志を持って、ニューヨークに関わっていこうと強く再認識した弾丸ツアーでした。元気モリモリだぜ!