当社のヘッドクォーターは、海の日の連休に鍛冶橋から麹町に移ります。今の場所は鍛冶橋交差点の西北の角にあり、それは即ち鍛冶橋が架かっていたと云うことで外堀の内側に当たり、地名は「丸の内」になります。江戸城を中心に外堀で囲まれた御曲輪(おくるわ)の内側になるからです。この地に引っ越してきた時に(それは既に10年前のことですが)つぶやきで書きましたが、今のヘッドクォーターが入っているビルの敷地は、松平三河守上屋敷跡、松平三河守とは家康の次男秀康とその子孫です。秀康は二代将軍秀忠の兄に当たります。幕府直系の土地柄です。

引っ越し先の麹町は、半蔵門から新宿大木戸に抜ける途中にあります。大木戸の外は江戸の外ですが、江戸城から江戸の外までで一番短いのが、そしてダントツに短いのが、この甲州街道、新宿大木戸までの間です。その先には幕府天領甲府があり、基本的に大名が封ぜられたことはありませんでした(例外が、綱吉の落胤ではないかと思われる柳沢吉里)。この道はいざという時の将軍の逃走経路だったのです。そして半蔵門には服部半蔵が登って目を光らせていた。麹町の隣、番町は幕府官僚の住んでいた場所です。反対側の隣は紀尾井町。これは紀伊、尾張、井伊の三つの屋敷があったからで、これはもちろん将軍御三家とバリバリの幕府中枢大名家です。麹町は幕府直系ど真ん中の土地柄なのです。

私は幕府とは何の関係もない(先祖が)農家の出身ですし、徳川万歳派では必ずしもないのですが、潜在意識で幕府系が好きなのかも知れません。いずれにしろ引っ越しまで2ヶ月弱。今の近隣の雰囲気をしっかりと吸い込んでおきたいと思います。