オーストリアの北西の端、オーバーエスターライヒ州という州の、ドイツ国境に近いところに、人口104名のフッキングという村(というよりは集落に近いでしょうか)があるそうです。綴りは「Fucking」。これは流石に驚きの名前です。11世紀頃から記録に表れるということで、小さいけれども伝統のある村のようです。ただこの名前から様々な迷惑行為もあるようで、村名変更を問う村民投票が行われそうとのこと。18年前にも同様の投票が行われたが、一人残さず賛成でないと村名は変更できないとのことで、この時は否決されたとのこと。今回はどうなることやら。
しかし思うのですが、英語だけが言葉であるまいし、英語で変だから、などという理由で一々名前を変えていたらきりがありません。そもそも名前に限らず、英語で頻繁に使われている言い回しをそのまま日本語に訳して喋ろうと思ったら、とても恥ずかしくて口に出来ないことが多くあります。或いは日本語のフレーズだって、その音を英語の単語に置き換えると、かなり問題のある名詞や動詞なんて数え切れないほどあるでしょう。違う言語に於いて、綴りや発音が似ていることは、何も実質的な意味を持つことではありません。
しかし現代に於いては、この綴り、特にアルファベットによる綴りが同じというのはかなり厄介なことでしょう。ネット検索でいとも簡単にヒットしてしまうからです。その意味で唯一的存在の日本語を擁する我が国は安泰です。いいことなのか良くないことなのかは微妙ですが。でもこのFucking村、野次馬根性の旺盛な私としては、いつか寄ってみたい気がします。村名、変えないで下さいね。