様々な作品において、題材とテーマは必ずしも同じ傾向ではない場合があります。暴力を描いて暴力反対を訴える例もありますが、これは分かり易い例で、題材の色や勢いに隠れて、本来のテーマが見えにくい場合もあります。或いは全く見えない、誤解される場合もあるでしょう。ここでいう作品とは、テキスト、静止したイメージ、動くイメージ、音、これら全てを伴うもの、全てのメディアが含まれます。
しかし作家は何故、そのようなリスクを取るのでしょうか。或いは作家は、題材に隠して違うテーマを見せるフリをして、実は題材通りのことを考えているという嫌味な場合もあるかも知れません。しかしそれでも私はそういった作品に触れてしまいます。好きか?嫌いか?これは微妙で、ものによると思います。ただテーマを誤解されることは、作家にとっても受け手にとっても悲しいことです。