前回のアメリカ出張の時は、成田に着陸して10分後に地震が来ました。同じようなことは私の一生の中では二度と起こらないでしょうが、今日は飛行機に乗る前にこのつぶやきを書いておこうと思います。しかしこのような行動を取ること自体に、これから書こうとする人の"オーバー・リアクション"と云う強い性向が現れています。

ニューヨークは人に溢れていました。道行く道に、様々な人が、大勢、概ね明るい表情をして、それぞれの好みの出で立ちで、伸び伸びと街を闊歩していました。私がこの街を初めて訪れた30年弱前は、臭くて、もっと暗いと云うか緊張した表情でした。テロの後も、街には作られた雰囲気と云うか、緊張と、どこかしらぎこちなさがあったと思います。金融危機の直後は、あまり雰囲気は変わりませんでしたが、それでも尚、柔らかさが幾分薄くなっていました。それが今のニューヨークはどうでしょう。季節の所為もあるかも知れません。しかし本当にこの世の春を謳歌しているようです。

何が一番違うのか?今のニューヨークは安全なのだと思います。私が居ない間の日本のゴールデンウィークは、東京も各地も案外混み合ったと聞いています。いいことです。しかし出国する前の、少なくとも銀座界隈は、明らかに人出が減っていました。それは色々な意味での安全に対する信頼度の微妙な低下から来たことでしょうか。安全の値段は高い。そう感じます。しかしそれは恐らく大袈裟に感じているのだと思います。

私は今、車の後部座席で前も見ずにこの原稿を書いていますが、それはなんと危険なことでしょう。しかしそんなことは気にしないのです。人は気になることだけに、オーバー・リアクションするのです。トレーディング的に云うと、そう云う行動の裏側に機会は潜んでいるものです。いずれにしろ安全はいいことです。企業のグローバル化も、企業の多くのステークホルダーの安全化に寄与するものだと思います。ビバ!