日本というのは色々な意味で変な国でもあり成熟もしています。対GDP比の税収は、所得税+消費税で見ると先進国中最低、しかしお金が回ってないかというと、どんな所でも領収書をもらっている人も多くいますし、かなりの額が税額控除されていて、実際にはそれなりにお金は回っているのでしょう。
資本主義経済国家の主な経済活動主体は企業ですが、その企業の生み出す富は、社会か(税金)、資本家か(配当金)、労働者(賃金)にしか分配されません。或いは分配しないで内部留保するという選択肢もあり得ます。日本の場合、労働者分配に偏重しており、資本家や社会にあまり回っていないように見えます。だから税収が少ない。

或いは内部留保が多く、銀行からお金を借りる必要が低くなり、その結果銀行は貸出先に困り、やむを得ず日本国国債を買う。そうすると国は税収が少ない替わりに借金を多くして国の仕事をしていかねばならない訳ですが、あら不思議、銀行等がせっせと国債を買ってお金を貸してくれる訳です。京都のお寺さんが、無税の替わりにせっせと街で還流してくれるのと似た構造です。

或る意味で成熟した、しかし或る意味で不健全で、少なくとも外部からは分かりにくいお金の回り方です。またこの仕組みの結果、日本の実力は低めに見られ、財政問題は大きめに見られ、もちろん得なことはあまりありません。何よりもこのような形は、どこかで牽制が効かず、だらしないお金の使い方が行われたり、誰か特定な人だけに有利なことになりそうです。何かしらの形で早く正常化して欲しいですね。