前に何度も書いてきたことではありますが、世界のGDP分布は、産業革命までは人口の分布とほぼ同じでした。中国とインドで世界のGDPの約3分の2を占めていたのです。何故なら一般にGDPの70%以上は個人消費だからです。それが産業革命によって生産技術などが一部の国に占有され、GDP分布は大きく変わっていった訳です。いわゆるイデオロギーが、世界の技術や新しい理論・情報の輸入を妨げた国もあります。
それがインターネットの普及により、様相が全く変わりました。世界のどこにいても、インターネットさえあれば数多の技術論文を読むことが出来ますし、ビジネスアイデアもいくらでも知ることが出来ます。産業革命によって偏在した生産技術が、そしてあらゆる情報が、また世界中に還元していった訳です。情報の流布と共に、世界から孤立するイデオロギーの力も、極一部の国を除いて大幅に小さくなっていきました。そして世界のGDPはまた人口分布に近づいていこうとしている。これが私の理解です。
新興国が成長しているのには、それらの国が何か特別なことをしているというよりも、このような当然の、現代の歴史的ステージの中で避けられない出来事として起きているのだと、私は考えています。ここに、私たちは人口が減っている日本の外を、世界を、しっかりと見つめる理由があると思うのです。因みに当社では、今私が書いたようなテーマに沿った新進の投資商品も御案内中です。最後は宣伝のようになってしまってすいませんでした。週末、福岡にセミナーを開きに参ります。福岡の方々とお会いできるのを楽しみにしております。それでは良い週末をお過ごし下さい。