責任は上に流れるか下に流れるか。私は、責任は上にしか流れないと考えています。上場企業に於いて、もし間違った情報開示があれば(粉飾決算などもその例)、経営者は、その責任から免れません。経営者に限らず、なべて上に立つ者の責任は結果責任であり、知っていたか知らなかったか、直接関与していたかいなかったかは、関係がありません。パートナーや部下が自分のため、自社のために云った、やったことの責任を、自分が取るのは、私にはあまりにも当然のことに思えます。これは法律がどうこうではなく、社会、世間の基礎ルール、常識だと思うのですが、私の考えは間違っているでしょうか。
誰が悪いではなく、そう云った文脈からずれていることに、或る世界の常識が、自分の知っている世界の常識とはあまりにも違うことに、驚きと無力感を感ぜずにはいられません。誤解されないために敢えて付言しますが、私は責任を取るべき事情が存在していると決めつけている訳ではなく、そもそもそれは論点ではありません。結果的に事情がなければ、責任を取らないのは当然だと思います。しかし「責任は下にあり上にはない」と云うその部分だけが、私には分からなく、その部分が大きく取り上げられないことに、大きな違和感を感じるのです。どちらかに肩入れしている訳でもありません。違う常識の世界なんだなぁと、ただそう思うだけです。