先進国になると出生率は下がる。これが一般的な常識でしたが、或る一定のレベルまで"先進度"が進むと出生率は逆に上がり始める。そんな研究が、昨日、英 Nature誌で発表されました。

HDI(Human Development Index)と云う、平均寿命、一人当たりGDP、識字率などを基に計算される最大で1の指標があります。最も低い20国は全てアフリカで0.30から0.48。最も高い20国は0.93から0.97とのことです。このHDIが上がるにつれて出生率は下がっていくのですが、0.86辺りでボトムアウトし、それが0.95に近づくにつれて出生率はまた上がり始めるのだそうです。

2005年に於けるHDIのトップ12の国々、即ち最も豊かな12国の平均出生率は1.8、フランスに於いては2008年に遂に40年ぶりに出生率2.0を回復しました。このような傾向が続くと、今後の"世界"に関して、とても大きく、且つ良い方向の影響があるだろうと、研究は報告しているようです。確かにこれは、人口ベースの経済に世界が戻っていく中で、世界全体の経済分布の予測に大きな影響をもたらすでしょう。極めて興味深い研究です。原文を取り寄せて読んでみようと思います。

そしてこの"豊かな国のベビー・ブーム"に乗り遅れている例外が、日本と韓国です。高いHDIを誇りながら(日本は1991年と1993年に世界一になったことがあり、2007年は0.953で世界第3位でした)、この二国の出生率は世界最低で、恐らく女性の地位が昔から変わっていないことが大きな原因ではないかと分析されているようです。恥ずかしい話ですね。真の先進国となるべく、もっと努力しないといけないですね。