SFドラマのように、未来の警察が時間のトンネルをくぐって現代にやってきたら、我々は窃盗罪で逮捕されるでしょうか?
未来の人から大量の税金を前借りして、私たちは今に対処するために使っています。我が国のバランスシートは、国の国民に対する年金債務をどう勘定するかで大きく変わりますが、ザックリ云って800兆円ぐらい債務超過です。1500兆円の個人金融資産と云っても、その半分は、未来に"ツケ"ているだけだとも云えます。ですから未来警察が、いつの日か過去からの盗人を捕まえにくるのではないかと思うのです。
地球温暖化については、私は未だに完全にスッキリしない部分もあるのですが、これも一般的に云えば、現代人がいい環境を浪費して、やはり未来人に"ツケ"を回しているようなものです。
物理的には見えない過去と未来を想像して、その時間軸の中で適切な行動を取らないと、いつか痛い目に遭いそうです。SFドラマの見過ぎでしょうか?
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。