アメリカの貯蓄貸付組合(S&L)であるワシントン・ミューチュアルが経営破綻し、史上最大の銀行破綻となりました。
ここ最近起きている出来事は、20年ほど前に私がこの業界に入った頃と瓜二つです。S&Lの破綻、アメリカの金融機関の資本不足に対する日本や中東による対応。
一方アメリカ政府の対応は、10年ほど前に日本が不良債権処理の際に行ったことと瓜二つです。最終解決まで一気に行かずに、小出しに進めて、次第に問題が大きくなって収拾が付かなくなり、ようやく次の手に出る、と云ったところも酷似しています。
歴史は明らかに繰り返すのです。何故でしょう?これは人の性質は不変だからだと思います。
現代の映画、小説、ドラマを見ても、ギリシャの古典やシェイクスピアから、根本テーマは全く変わりません。惚れた腫れた、裏切り、そして欲。世界が安定する→金利やスプレッドが下がる→リターンが低下する→然しながら「欲」の量は変わらない→欲を満たすリターンを得るためにレバレッジを掛けて投資額を増やす→架空の需要が作られバブルが発生する→バブルは必ず弾ける→世界が不安定になる→そして様々な反省と努力を経て世界は再び安定する→無限循環。
今迄もあったことで、これからもあることでしょう。その波の中に居ながら、その波を見極め、うまく対応していくことが、このビジネスに関わる者として肝要だと思っています。