東京の港区にある、或るお店の名前が思い出せないで困っていました。そんなにしょっちゅう行く店ではないのですが、20年前からチョロチョロと行き続けているので、よ~く知っている店です。ところが最近、店の名前を正確に思い出せなくて、弱っていました。
大体は思い出せるのですが、どこか不完全で、明らかにどこかが間違っているのが分かるのです。な~んか嫌な気分だったのですが、今日偶々その店の前を車で通りました。すると、車が店に近付くに連れて、店の看板が見えている訳ではないのですが、自然にきれいに店の名前を完全な形で思い出しました。店の真ん前を通る時に看板を確認すると、果たしてその通りの名前でした。不思議な現象です。

しかし似たことは、他にもいっぱい経験があります。或る人の名前がどうしても思い出せない。しかしその人に関連する話をしていて、その話の文脈の中にその人が登場する時は、なんの苦もなく、その人の名前がすらすらと口に出てくる。

不思議です。脳にはゴミ箱のような形のセルが並んでいて、その或るセルに名前が詰まっているが、なんかの事情でそのセルが横に倒れてしまっていて、情報を引き出すことが出来ない。しかしそのセルの周りのセルのスイッチを入れて立てると、それに連れられる形で問題のセルも立ち直って、情報がヒョイと出てくる。そんな物理的なイメージを想像します。
実際、脳の構造は、そんなものなのかも知れません。逆に脳のセルが将棋倒しにならないように、気を付けなければいけませんね。