今日、と或る大広間に行きました。この大広間は、この20年くらいの間に何度も何度も訪れた場所です。親友の結婚披露宴、大切な人のお別れの会、そして企業の何かしらの御披露目である数々のレセプション。大広間の主役はいつも違う訳ですが、大広間自体は、今日もいつもと変わらない様子でした。この部屋は今迄に一体何を見てきたのだろう?ふとそんなことに思いが巡りました。空間に意思がある筈もないのですが、気になって辺りを見回すと、一瞬どこかに意思がある気もしました。
部屋の壁は、よく計算された絵になっており、あらゆる場面に適合するようでした。空間自体の雰囲気も、あくまでも主役の為に存在しているようで、出しゃばらず、控えめな心地良さがありました。今迄の数々の思い出がそこには大切に保管されていて、そしてこれからも多くの思い出がそこで生まれる予感がありました。たかが広間。されど広間。ビジネスは斯くありたいと、そう思った一時でした。