5枚の写真が、当社の会議室の壁に飾ってあります。これは黒白の写真芸術作品、コンテンポラリー・アートなのですが、一風変わった作品です。一見何の写真だか良く分からないものもあるのですが、全て地表の写真であり、そう云われると航空写真のように思われるのですが、全て撮影者である作家は地表に自らの足で立ち、アナザー地表を撮影していると云う、まぁ複雑なコンセプトの写真です。

作家は私の中学からの同級生で、とても長い付き合いになります。社内のレイアウト変更などが続いたので暫くしまっていたのですが、最近思い立ち、エントランス脇の会議室の壁に復活させたのです。エントランスと会議室の間はガラス扉で仕切られているのですが、会議参加者の顔が判別できないように、スモークのシートが帯状に貼ってあります。このシートの高さを調節して、エントランスを歩くと、会議室の奥の壁に掛けてある5枚の写真がちょうどスモーク・シートの上に見えるようにしました。私は毎日エントランスを通る度に、この5枚の作品を見ます。

芸術作品としての出来映えに加えて、その空間の中での配置の仕方にも満足しています。更に加えて、古い友人の懐かしさと暖かさも感じます。空間の雰囲気とは、とても微妙で繊細なものです。空気には、敏感でありたいですね。