かつてのボス、某投資銀行トップから上院議員を経て某州知事になったJCは、春に交通事故に遭い、死線を彷徨いました。その彼に、思い掛けず会いました。彼は以前と全く変わらない容貌で、ちょっとだけ痩せた気もしましたが、いつものように満面に笑みを湛えて、私を包むように迎えてくれました。握手をすると、強く強く握り、いつまでも離しません。その握力に、今までの彼の強さ、これからの彼の強さ、そして言葉には表現しきれない様々な私に対するメッセージを、短い時間の間に感じました。

今日はJCの他にも、思い掛けない人に会いました。かつて話したこともない、遠い大先輩JWにも会ったのですが、彼もやはり私の話を聞いている間、ずっと強く握手をしていました。手から手へ。握手を通したコミュニケーションは、斯くも濃密になり得るのか。コミュニケーションは人間の総力戦です。ひとつひとつの握手にも、きちんとそれぞれ場面での表情と思いを乗せなければいけないと、そう思いました。