ついこの間まで未だ緑色だった東京の銀杏が、ここのところ一気に黄色になりました。

昨晩タクシーに乗って車窓から外を眺めていると、銀杏並木が目に入ってきました。街灯は一般に黄色系ですから、その光を浴びた黄色い葉は、逆に黄色には認知されず、白色、もしくはとても淡い色のように見えました。そうしてライトの中の銀杏は、まるで満開のサクラのようでした。そう感じて車窓から外を眺めていると、街中に季節外れの満開のサクラが続いているようで、とても幻想的でした。

安吾の小説ではありませんが、満開のサクラは狂おしいものがあります。そして銀杏並木の疑似サクラも、まさに木全体が満開に咲いているようで、更に狂おしいものでした。銀杏並木は東京に多いものでしょうか?サクラと銀杏を愛でる東京人、或いは日本人。或いは人は皆このような狂おしさが好きなものなのでしょうか?なんか面白いですね。