先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、香港ハンセン指数は反発、創業板総合指数は続落となりました。上海総合指数ですが、週初の4月9日(月)はプラス圏とマイナス圏を行き来する方向感の無い相場展開ではあったものの、3,100ポイントは底堅い印象で、終値では4日ぶりの反発に。そして4月10日(火)は大幅続伸。この日はアジアフォーラムで中国の習近平主席が、米国との貿易摩擦問題について、対話を通じた対立の解消を支持。また、中国の銀行業界や自動車製造業界の開放の促進を表明したことを受けて、米中の貿易摩擦懸念が後退しました。

そして、トランプ大統領が「中国の習国家主席による思いやりのある言葉に感謝する」とツイートしたことで4月11日(水)も続伸に。ただし、4月12日(木)と4月13日(金)はシリア情勢を巡る地政学リスクへの不透明感や4月13日(金)に発表された中国の3月の輸出(ドルベース)が市場平均予想の11.8%増を大きく下回る-2.7%となったこと(ちなみに、輸入は+14.4%と市場平均予想の+12.0%を上回りました)、トランプ政権が対中関税リストを翌週にも発表すると伝わったことなどが市場心理を悪化させて下落となりました。結局、上海総合指数は前週末比+0.9%の3,159.052ポイントで引けています。

香港ハンセン指数も大まかな流れは上海総合指数と同じような流れとなりました。4月9日(月)はトランプ政権当局者が、対中関税は差し迫ったものではなく交渉する猶予があると語調を和らげたことで米中貿易摩擦懸念が後退したことから上昇からのスタートに。さらに4月10日(火)は前述の習国家主席のアジアフォーラムでのコメントで大幅続伸となり、4月11日(水)はトランプ大統領による発言の他、香港と中国の相互取引額の拡大の発表があったことや習近平国家主席の前日の講演に基づき、中国人民銀行が金融分野の外資規制緩和に向けた計画や、人民元を切り下げる意向がないことを発表したことから続伸。4月12日(木)と4月13日(金)は地政学リスクや中国の3月の輸出が予想を下回ったこと等が重しとなって下落となったものの、週間で香港ハンセン指数は前週末比+3.2%の30,808.38ポイントで引けています。

先週は週後半が地政学リスクから軟調な展開となりましたが、香港ハンセン指数は反発し、100日移動平均線を上回ってきました。50日移動平均線には頭を抑えられる形となってしまいましたが、企業業績は好調なので、新たに悪いニュースが入ってこなければ、ほどなく50日移動平均線を上に突き抜けていける展開も期待出来ると思います。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)