最近或る事情から、中学と高校時代の友人と話す機会が増えています。この2、3日の間に10人程度話しました。短くて5年、長い人だと20年ぶりぐらいになります。電話を掛けると、相手が電話口に出るまでは、不安な気持ちになります。
しかしいざ出てみると、楽しく話すことが出来ます。十年一日の如し。話す内容、声、間合い。そして何よりも総合的な会話の雰囲気が、昔の学生時代と同じで、とても安心します。一般に、人の声はあまり変わらないものです。小さい頃、古い日本映画を見ていると、女優さんが誰だか見当が付かないことがよくあったのですが、声をよく聞くと、誰だか分かることが多くありました。私の中高の同級生はみんな男性ですが、男の声もあまり変わらないようです。極端なケースでは、まるで中学生と話しているようで、ちゃんと成人としての社会生活を送っているのか不思議に思ってしまうこともありました。
しかしこれは錯覚でしょう。当然初めて聞けば、おじさんの声、喋り方なのでしょう。まして電話ではなく会ってみたら、一気に浦島太郎のように声年齢がジャンプするのかも知れません。記憶と現実の間は、ちょっと楽しい領域ですね。