先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数、深セン総合指数は続伸、創業板指数は反発となりました。上海総合指数ですが、7月1日(土)の香港返還20周年に合わせた習近平国家主席の香港訪問を前に、当局が株式市場を買い支えるのではないかとの思惑から、週初の6月26日(月)から大幅上昇でスタートし、27日(火)も小幅続伸。28日(水)は当局が保険会社への管理監督強化を行う方針を示したことや、フィッチが中国の自動車保険業界において利益率が縮小する可能性があると指摘したことから保険株が売られて反落。

しかし、先週はその後も強い株価基調を継続しました。29日(木)は7月から施行される、投資家の保護強化に関する法律について、信用取引などの規制が強化されるとの観測を当局が否定したことが伝えられて市場心理が改善して反発。30日(金)も、6月の公式製造業購買担当者景気指数(PMI)が51.7と、市場平均予想の51.0や、5月実績の51.2を上回ったことから、中国経済に対する楽観的な見方が強まり続伸となりました。結局、上海総合指数は前週末比1.1%高の3,192.427ポイントで引けています。

香港ハンセン指数も続伸となりましたが、こちらは高値圏で横ばい気味の動きとなっています。欧米の株式市場が調整し、その影響を受けた他、GEM市場に上場している漢華専業服務(08193)が3年連続の赤字を発表して暴落し、GEM市場全体も急落するなどのマイナス要因もあったのですが、習近平国家主席の香港訪問への期待感や、欧州経済が好調なことから大型株のHSBC(00005)が急騰するなどして、香港ハンセン指数は前週末比0.4%高の25,764.58ポイントで引けています。

上海総合指数のチャートを見ると、株価は100日移動平均線を上に突き抜けてきています。 本日、6月のCaixin製造業購買担当者景気指数が50.4と発表されており、市場平均予想の49.8や5月実績の49.6を上回ったことで、一段高の期待も持てるところだと思います。一方、香港ハンセン指数は欧米の株式市場の影響を大きく受けそうです。ナスダック総合指数が50日移動平均線を大きく下回ってくるようですと、テンセント(00700)などのITハイテク株の株価が下落し、指数を押し下げる可能性があります。

コラム執筆:戸松信博

(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)