世の中、M&Aが日常茶飯事のようになってきました。M&Aは株価にも大きな影響を与えかねないので、個人投資家にとっても重大な関心事でしょう。合併には色々な分類の仕方がありますが、一つの分け方は合併の主体が上場企業か否かということです。上場企業同士の合併は比較的簡単で、要は会社の値段がマーケットで付いている訳ですから、そのままの比率で合併することが可能です。しかし実際には様々な事情から合併比率がずれることがありますが、それが所謂「リスク・アービトラージ」と呼ばれる裁定取引の機会を生みます。これは当社が推進しているオルタナティブ投資の代表格であるヘッジファンドが、その歪みを儲けに換えることを得意としています。

話がちょっと脇に逸れたので元に戻すと、未上場企業同士の合併というのも、これは比較的悩みは少ないものです。何故なら通常、株主数も少なく、そもそも一般株主がいませんので、両社間で相対で合意した比率で合併することが比較的容易です。

問題は上場企業と未上場企業が合併する時です。方やマーケットで値段が付いており、方やそうではない。中々悩ましい問題ですが、何とか両社間で合意する必要があります。比率次第で上場企業の株価にも大きな影響が出ますので、予めその部分までまとめて合意することが肝要です。

これからも多くのM&Aが行われることでしょう。リスク・アービトラージに限らず、それは多くの収益のチャンスと同時にリスクを生みます。しっかりと見極めながら、投資したいものですね。