アメリカ人は、こと投資に関しては極めて「非」国際的です。国際分散投資の理論を確立したのはアメリカですが、実際の行動は全く伴って来ませんでした。アメリカほど国内投資に偏っている国は、先進国の中では他に見当たらないでしょう。

しかし今回アメリカに出張に来て、このアメリカの国内投資偏重傾向に変化の兆しがあることを強く感じました。国際社会に於けるブッシュ大統領の不人気・不信任や、アメリカ財政が抱える大きな問題が、ようやくアメリカ人をも国外に目を向けさせることになったのでしょうか。怪我の功名とでも言いましょうか。

1週間程前に、ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットというアメリカの2大富豪が何処かのコンフェランスで一緒に壇上に座り、ドルに弱気である旨を喋った記事も読みました。そもそもアメリカ人が為替に興味を持つのは少ないことです。自信を失うと謙虚になり周りを見るようになる。これは個人についてだけでなく、もっと大きな単位についても言えることのようです。世界は思ったよりも、口よりも耳の数が多いのかも知れません。