史上初のイラクに於ける民主的選挙が敢行されました。投票率の信憑性、スンニ派の低投票率、国際監視団のない中で行われたことなど、様々な問題があります。これからも、公平に票が数えられるか、少数派の利益をどう代表させるかなどの問題があり、更に首相を選出し、憲法を作り、国内の宗教問題を乗り越えていかねばならないなど、問題は山積みです。アメリカの影響力がどうなるのかといった、いやらしい問題まであります。しかし今回の選挙は、民主化への偉大な第一歩でしょう。「テロによって殺されるかも知れない」という状況の中で、それでも国の将来のために文字通り命懸けで投票に行ったイラク人に敬意を表したいと思います。

今回のことで再確認したことが二つあります。ひとつは、体制の善悪と、国民の善悪とは別個のことだということです。もうひとつは、「デモクラシー」は殆どの人類にとって必要で、ない人にとってはどうしても手に入れたいものだということです。これらのことは、イラクに限ったことではないでしょう。
"Giant Step"−これは人類が初めて月面に降りた時にアームストロング船長が発した有名な言葉です。

" That's one small step for a man, one giant leap for mankind. "
イラクの選挙が、今後の世界平和への"Giant Step"となってくれることを望みます。