天候は時に人の思いに呼応するものでしょうか。小渕首相が亡くなられ、お茶の水の病院から移動を始めた時、そして翌日葬儀場に移動する時、都心は突然の豪雨と雷になったことを憶えています。今朝は突然の大雪でした。それは恐らく、私の最も敬愛する鮨屋、或いは最も尊敬する料理人である親父が、築地に行った頃ではないでしょうか。
雨の日も雪の日も40年間毎日築地に通い、そして素晴らしい鮨を握った親父の最後の仕入れは、雪に見舞われた訳です。最後の苦行なのか?ネタを新鮮に残すための最後の褒美なのか?時に天候は皮肉な、もしくは粋な計らいをするものです。
残念ながら私は今晩、その鮨屋に行くことが出来そうにありません。しかし今日の雪は、ずっと忘れないことでしょう。