中国の聯想(レノボ)というPCメーカーが、IBMのPC部門を買収することが正式に発表されました。6億5000万ドルの現金と6億ドル相当のレノボ株による買収で、加えて5億ドル相当のIBMの借金を肩代わりするそうです。総額で17億5000万ドル、約1800億円の買収劇になります。
レノボは中国のPC市場に於いては常に25%以上のシェアを持っていたそうですが、今回の買収によっていきなり大々的な世界デビューを果たし、デル、ヒューレット・パッカードに次ぐ世界第3位のPCメーカーになる(世界シェア9%)とのことです。付加価値と利益率の下がったPCビジネスをIBMがうまく中国企業に売り抜いたと捉えるべきか、時代が変わり新たなメジャー・プレイヤーによる大掛かりな勇気ある挑戦が起きたと捉えるべきか。いずれにしろ今後の行方に興味津々です。

今回のディールで、IBMとの交渉や実行を全て取り仕切ったのは、レノボの中国人女性だそうです。日本の企業は国内の合併等は頻繁に起こるようになりましたが、アメリカ企業を買収していきなり世界の1割のシェアを持つように至ったとか、しかもその買収実行責任者が日本人女性だったとか、そういったことはまず聞きません。我が国には、もっともっとダイナミズムが必要でしょう。