当社のオフィスは東京駅を挟んで丸ビルの反対側にあります。そして私のデスクは一番西側、即ちJRの線路の真上辺りにあります。私は社員全員が見渡せるように東に向かって座っているのですが、背中には皇居方面の景色が拡がり、目の前で東京ビルの建て直しの工事が進んでいます。その建築中の高層ビルの上に、最近更に高いクレーン(タワークレーン)が3本立ちました。む、む、む。あんな大きいモノをどうやって高いビルの上に運ぶのでしょう?調べてみると、クレーンは地面の上から、油圧式の昇降装置を使ってビルの内側に足をかけるようにして、自分で尺取り虫のように上に登っていくのだそうです。調べる前は、いくつかに分けて大型のヘリコプターで持ち上げるのかと思ったのですが、それでは確かに組み立て時にとても危険そうで、浅はかな考えだと知りました。造るものが大きくなればなるほど、外から造ることは不可能で、内側から自ら大きくするような仕組みが必要となるのでしょう。我々MBHも同様に、しっかりと内側から着実に成長していきたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。