一月ほど前に「北枕」について書きましたが、その中の記述に誤りがありました。地球は磁石になっており、北極がN極、南極がS極と書きましたが、これは反対で、北極がS極、南極がN極です。従って、方位磁石のN極が北極のS極に引き付けられて、北を向くことになります。極めて基本的な部分で間違った記述をし、申し訳ありませんでした。
ところでこの磁極ですが、実際には地軸とはずれており、現在はS極(北磁極)はカナダ北部のクイーンエリザベス諸島の中にあり、N極(南磁極)は南極大陸の端(オーストラリア側)にあるそうです。「現在は」と書いたのは、この磁極は今までに何度も逆転しており、少なくとも過去400万年の間には10回もひっくり返ったからです。
最後に逆転したのは73万年前。地磁気が弱くなり、いずれ一旦なくなってから逆転が始まるそうで、今から2000年後にも地磁気はなくなることが予想されているようです。ビックリですね。地磁気は地球のまわりをくるんでおり、宇宙からの有害な宇宙線を地表まで到達させないようなシールドの役割をしているそうで、磁極の逆転時には様々な影響が生態系にも加わる・・・。
これは完全なSF映画の世界ですが、宇宙の営みは斯くも雄大なものです。対比で言うとこれだけちっぽけで一瞬の存在である我々が、しかしこれだけ宇宙のことを解明しているというのも、それは更に大きな驚きです。たまにはこんなことを考えながら、星空を見るのもいいですね。