私は殆ど毎日出前のそばを食べます。社外でランチ・ミーティングなどない限り、判で押したように同じそばを毎日食べます。因みに種類は「鳥南蛮(鴨南蛮の鴨を普通の鳥肉に替えたもの)、ねぎ多目、そば少な目、ゆで卵入り」と云うもので、当社から電話して「いつもの」と云うとそれだけで分かり、正午の一番混んでるであろう時に頼んでも、晴れの日も雨の日も、一人で頼もうが何人かが一緒に注文しようが、何の文句もなく5分も経たないうちにオフィスまで届けてくれます。そして私は七味をかけて、ネット・サーフィンやメール・チェックをしながら、そばをすする訳です。あまりにも毎日同じものを食べているので、しかも美味しそうに、嬉しそうに食べているものですから、まわりの社員は呆れています。或る社員が、「あれだけ毎日頼むのだから、割引とか、そう云ったサービスはないんですかね」と聞くものですから、「そばは頼んだ時が食べたい時。いつでも必ず5分以内に持ってきてくれるというのが最良の顧客サービスであり、蛇の道は蛇、流石にそば屋はそば好きの心を分かっている。割引によって私の満足は得られない。」と即座に答え、その回答に満足している妙な私が居ました。しかしそばって本当に美味しいですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。