私は音楽を聴くのが大好きです。ジャンルは幅広く、クラシックからジャズ、ロックからポップスまで、何でも聴きます。和洋も問いません。完全な「ながら族」で、オフィス以外で仕事をする時は部屋に音楽を流せる環境であればそうしますし、そうでなければPCにヘッドフォンを挿してハードディスクから聴きます。
「ながら」で聴くせいもあるでしょうが、歌ナシと歌アリですと通常は3:1ぐらいで歌ナシの方を多く聴きます。ところが、無性に歌が聴きたくなる時があります。例えば悲しい時。悲しい時に悲しい「歌ナシ曲」を聴くと、妙に心に触れてしまって本当に悲しくなってしまいます。悲しい時は悲しい「歌」を聴くと、何故か心が落ち着いてきます。「歌ナシ曲」同様、心に触れてしまい動揺することもあるのですが、言葉があるので心よりも頭で解釈するようになるのでしょう、「自分だけじゃないんだ、他の人にもあることなんだ」という理解が前面に出てきて、むしろ心の動揺が引き始めます。
小さい頃、さだまさしの歌を聴いて、「なんでこの人はこんなに悲しい歌ばかり歌うんだろう。一体誰が聴くんだろう。」などと思ったものですが、歳を取り、悲しいことを知れば知るほど、それだけ世の中の悲しい歌に対する需要が増えるのでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。