来週からGWですが、今年もおちおち休んでいられません。トランプ大統領が掲げる相互関税交渉がどのように落ち着くのか見えないことに加え、トランプ政権がパウエルFRB議長の解任を検討していることなど、次から次へと材料に事欠かないマーケットに株売り、債券売り、通貨売りのトリプル安=米国売りが加速しています。

去年のGWは大変でした。覚えていらっしゃいますか?ドル円相場がジリジリと155円台まで円安が進行する中での4月26日(金)の日銀会合。植田総裁が会見で、「現在の円安は(金融政策上)無視できる影響ということか?」と問われ、「はい」と答えたことをきっかけに円安が加速。土日を挟んで週明け4月29日(祝日)も円安が止まらず、160円を突破すると、祝日だというのに円買いドル売り介入が入りました。日銀が円安を容認するようなメッセージを送った直後にまさか財務省が介入を実施するとは。虚を突かれたという投資家も多かったと思います。

騒動はこれで終わりません。5月1日のFOMC後、マーケットの流動性が低下する中、本邦当局は再び介入を実施しました。まだ日本の投資家が眠りから覚めぬ時間に介入が実施されるとは…このGW中の2回の介入でドル円相場は151円台まで円高が進んだのです。

今年は介入が行われるような水準にはありませんので、去年のような急激な円高となるリスクは少ないと思いたいですが、トランプ大統領の一言でマーケットのボラティリティは急上昇します。現地時間の4月24日にはベッセント財務長官と加藤財務大臣が会談する予定。トランプ政権が現在の為替水準に不満を持っていることは明白ですが、為替が議題にのぼるか。関税交渉の行方によっては、今年のGWも荒れるかもしれません。やれやれ、です。