本日発表の10月の消費者物価指数は5年6ヶ月ぶりに前年同月比でプラスに転じました(0.1%上昇)。(11月の都区部消費者物価は未だマイナス(前年同月比0.2%下落)でしたが、こちらもそろそろプラスに転じそうです。)
今日は足利銀行の問題があったので、マーケットはそれどころではなかったようですが、このニュースには注目した方がいいと思います。世の中はデフレですから、消費者物価指数は下がり続けています。しかしこの下落のスピードが、3年ほど前から鈍くなってきました。そして遂に、物価の下落が止まろうとしています。「y=xの二乗−a」というグラフをイメージしてみて下さい。物価の推移は、そのグラフの左半分のようになります。ずぅっと下がってきたものが、下がり方が鈍くなってきて、今の瞬間では水平になっている、そんな状態です。
竹中大臣は、「全体で見ると緩やかなデフレが進行している状況である」とコメントしたようですが、グラフの微分は、3年前に最悪のマイナス1.5%を付けてから着実に戻ってきて、今は既にほぼゼロなのです。デフレが終わると言うのは時期尚早ですが、デフレからインフレに変わる時の、資産運用のリスクの形の変化は巨大です。「もしインフレが始まったらどうするか」ということをそろそろ考え始めてもいい時期だと思います。デフレは緩やかに進行するものですが、インフレはひとたび始まると急速に進行することも覚えておくべきです。