去年ノーベル賞をとったダニエル・カーネマンの行動経済学によると、人は損をしている領域では変化を好み、一方得をしている領域では安定を好むと言います。このような行動心理は、各人の利食い・損切りの問題だけでなく、マーケット全体にも影響を与えると思われます。一般に、株価が低迷している時には「ノイズ」は好材料として受け止められ、株価が伸びている時には「ノイズ」は不安材料として株価に悪影響を与えることが多いものです。
今日の中曽根氏の行動は、残念ながら悪いノイズとしてマーケットには受け止められたのではないでしょうか。小泉内閣はこの半年間ほど、マーケットとの対話を随分改善してきたと思います。今のマーケットは、その共有のプラットフォームを大切にしている気がします。政権の善し悪しとは関係なく、株式市場の観点から見ると、小泉政権へのノイズは動揺の原因となるでしょう。