何度もザラ場中超えても、大引けでは超えられなかった日経平均1万円台。寄せては返す波のように、なかなか超えられなかった抵抗線。しかし今日ようやく、遂に、その一線を破りました。NY周辺の大停電の米株式市場に対する悪影響が心配され、MSブラスターの被害も世界的に懸念され、日本に於いては冷夏の経済活動に対する悪影響までも気になる今日、アッサリと日経平均は1万円を超えていきました。
アメリカの電力施設が老朽化しているなら、今回の事故を契機に新しいものを作ることになれば大きな需要の創出です。コンピュータ・ウイルスも、本当のウイルスに較べれば大した問題ではありません。その対処法も防衛手段も、実は簡単なことです。冷夏によって花火会場のテキ屋さんや、海の家は散々でしょうが、では替わりに家で寝てるだけかというと、海に行けない子供を連れてデパートに行って散財しているかも知れません。『電車賃+海の家代+焼きそば代』よりも、近くのデパートでの『ゲームソフト代+お人形代+レストランの食事代』の方が高そうな気もします。仮にデパートにも行かないで家にいたとしても、ネットでショッピングをしたかも知れません。実際お盆休み中のネット経由株式取引はかなりの額だったのでないでしょうか。要は見方次第で、どんな色にも見える訳です。病は気からといいますが、景気も気からでしょう。世界的な景気回復のうねり、世界的な心理状態の好転に、日本もうまく乗っていかなければいけません。当面のコケるリスクは自民党総裁選でしょう。バカなことが起きなければいいですね。いずれにしても今日は日経平均1万円台回復、通過点ではありますがお祝いです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。