台湾の中央銀行が、『中国政府は年内に人民元を切り上げる可能性が極めて高い』とする研究をまとめたらしい。これは台湾最大の経済紙である工商時報が昨日の新聞の一面で報じたとする毎日新聞の記事を読んだものです。伝聞情報ですし、そもそも台湾による中国研究というと、どこか政治的な目的が含まれている気もしますが、果たして本当に人民元が切り上げられたらどうなるでしょうか?塩川大臣も含めて、人民元は切り上げられるべし、といった意見が日本でも国際社会でも大勢を占めています。人民元が切り上げられれば、中国製品の価格競争力は落ち、各国の経済にも好影響だし、中国発の価格デフレにも歯止めがかかるだろうという意見です。中国は日本に次いで世界第2位の30兆円という巨大な外貨準備を持っていますし、人民元は切り上げられて当然でしょう。しかし同時に、仮に購買力平価まで人民元と円が調整されると、現在日本のGDPは中国のGDPの4倍ありますが、なんと逆転して中国のGDPは日本の1.5倍になり、世界第2位の経済になります(2001年、世界銀行調べ)。そこまで行くともちろんアジア経済の中心は日本から中国にシフトするでしょう。果たしてそれは日本にとっていいことばかりなのでしょうか?人やお金の流れが、日本を通り越して中国に大きく流れるようになると、我が国の様相も一変するかも知れません。

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